平家の全盛期に後白河上皇の命で建立された「蓮華王院本堂」。通称「三十三間堂」。
本尊は国宝、千手観音坐像、その他1,000体の千手観音立像(重要文化財)もともに立ち並ぶ圧巻の光景があります。
ここで、毎年1月中旬に行われる「通し矢」とは、いったいどんな催しなのでしょうか?
今回は『三十三間堂の通し矢2020』の魅力とともに、時間帯や駐車場の情報をお伝えしたいと思います。
三十三間堂の通し矢2020の基本情報
◆開催時間:2020年1月12日 8:30~
◆住所:京都市東山区三十三間堂廻町657
◆アクセス:
・京都市バス『博物館・三十三間堂』下車すぐ
・京阪電鉄『七条駅』下車 徒歩7分
三十三間堂の通し矢の見どころは?
毎年成人の日に合わせて、国宝三十三間堂で厳かにとり行われる真剣な競技です。
主役はその年に成人式を迎える若者たち。
最近、成人式といえば必ずどこかの会場で騒ぎがありますが、そんな雰囲気はみじんもありません。
弓道の有段者が称号者が全国から多い年では2,000名が集う他に類を見ない一大イベントです。
木造建築では世界で群を抜く長さの120m。
その西側の軒先で約60m先の1mの大的を射る腕を競います。(称号ものについては79㎝と的が小さくなります)
奇しくもその場所は、国宝「本尊 千手観音坐像」の目の前。
千手観音は、すべての手の平に目を持ち、その千本の手でどんな衆人をも救うと言われます。
1,000人単位の成人たちが、だいたい10人前後ずつ並んで弓を射ますが、
広げた手の様子を横から見ると、まさに千手の如くに見えますね!!
とくに女性は目にも鮮やかな袴に身を包んでの登場ですが、
三十三間堂も1930年の修理の際に、なんとこの建物が花や雲文様の極彩色だと判明したそうです。
もし、その鮮やかな色彩をバックにこの催しが行われたら、どんなに美しい光景だろうかと思ってしまいます。
成人を迎える若者たちがどんな世界に向かってゆこうと、千手に助けられてそれぞれの世界で大きく飛躍して欲しいものです。
三十三間堂の通し矢の混雑情報
通し矢の時間帯は、
- 新成人男子 8:30~
- 新成人女子 10:50~
- 称号者 13:50~
- 決勝 14:30~ (2017年に習う)
となっており、毎年9時ごろには観覧席が埋まりますので、しっかり見学したい方は、それより速く行かれることをおススメします。
三十三間堂と通し矢の弓道情報
弓道の「称号者」について解説しますね。
称号者には3つありまして、下から
- 「錬士」
- 「教士」
- 「範士」
となります。
まず「錬士」になるためには、「五段」を取得しなければなりません。
これだけでも相当大変なことですが、さらに「教士」になるためには、「六段」を取得する必要があります。
そして、はじめて「教士」の審査を受けられるのですが、
それがただ弓道の腕が良ければいいのではなく、
「人格、技能、識見、ともに備わり、弓道指導に必要な学識、教養および実力を有し、かつ功績顕著なこと」
と定められています。
あるようで、目に見えないとても高貴な基準の様なものです。
でもこの基準は、弓道を極めていこうとする人だけでなく、
新成人の人達全員に自分が生きる道を究めるという意味で通じてくる心構えのような気もします。
三十三間堂 周辺のおすすめ駐車場
三十三間堂駐車場
住所:京都市東山区三十三間堂廻町657
台数:自家用車50台
無料駐車場です。
決して広くはありません。
電車かバスでのお出かけをおススメします。
すぐ前に京都国立博物館の駐車場もありますが、あくまで別施設の駐車場なのでおススメはしません。
さいごに
『最近の若者は・・・』なんてよく耳にしますが、
この「通し矢」を見るとそんな気持ちは吹き飛びます。
時に雪積もる寒さの中、真剣な眼差しで自分の出番を待ち、
その時が来ると
成人としての責任感を体全体に漲らせるようにして、大きな的と対峙することになります。
その的こそがこれから巣立って行く「大きな社会」のよう。
華やかでもあり真剣さもあるこの催しを念頭に見ると、新成人ならずとも、ピリッと気持ちが引き締まりますよ。
2020年はこの三十三間堂からスタートを切って、なにか『的』ともいえる目標を定めてみては如何でしょうか。